2019.03.13 Wednesday

フルーティで軽やかな・・・イルガチャフェ・モカ

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    僕たちが学生の頃(というと今から40年も前ですが)、アルコールランプといっしょになったサイフォンをつかって、家庭で珈琲を淹れていた人は結構いたと思います。喫茶店や珈琲専門店で豆を買ってきて、手挽きのミルでゴリゴリ挽いて。なんというか、そうしてちょっと手間をかけて珈琲を淹れることは、とてもわくわくした時間だったような気がする。

     

    そんなふうに、よくわからないなりに珈琲というものに興味を持ち始めた頃、お店の人に聞いて覚えた産地ごとのおおまかな特徴は、酸味の強い珈琲と苦みの強い珈琲があって、酸味の強い豆の代表的な産地はモカ(エチオピア)とキリマンジャロ(タンザニア)であり、苦みの代表はマンデリン(インドネシア)である。

     

    酸味の強い珈琲は、比較的焙煎が浅く、だからすっきりしていて、苦みが強い珈琲は、どちらかといえば深煎り気味なので、しっかりとしたコクがある。その酸味と苦みのチャートのまんなか近くで少し酸味よりなのがコロンビアやガテマラ、ちょっと苦みよりなのがブラジル、ど真ん中がブルーマウンテン(ジャマイカ)なのだと。

     

    これはサイフォンじゃないけれど。

     

    ブルーマウンテンは、単一の産地の豆でありながら酸味と苦みのバランスがとれていて、とても飲みやすい。生産量が極端に少ないせいもあって、希少価値がつき、今でもそうですが、破格の値段で売られていました。

     

    ところで、いわゆるブレンドコーヒーは、このまん中周辺のブラジル、コロンビア、ガテマラあたりをベースにして、バランスのとれた飲みやすさをもたせ、その上で、ブレンドの個性を発揮するために、酸味の王様モカや、苦みばしったマンデリンを加えてつくられる。

     

    こういった珈琲の香味の説明はもちろんまちがってはいないだろうけど、ちょっと大まかすぎるし、品質や栽培管理の仕方などによって有良農園が評価されるスペシャルティ珈琲が普及してきた現在では、該当しないこともたくさんあります。その典型が、イルガチャフェ・モカです。モカと言ったら酸味の強い珈琲というイメージが大きく裏切られるから。

     

    フルーティで軽やかで、これがモカ?という顔をされるお客様の多いこと。どんな人にもおいしいといわれるから、店頭で提供する1杯250円の珈琲にもこのイルガチャフェ・モカを使っています。繊細でしつこくなくて、飽きの来ないおいしさは多くの日本人が好む味だと思います。

     

    JUGEMテーマ:コラム

    2019.02.15 Friday

    鉄観音・・烏龍茶普及の背景

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      ウーロン茶というものが、大のお茶好きといわず、ごく一般の人に知られ、飲まれるようになった。つまり日本において市民権のようなものを獲得したのはサントリーの缶入り烏龍茶の功績だと思う。

       

      ほのかな甘みがあって、ちょっとだけ渋みがあり、その結果、後味が爽やか。そういったテイスト=味の特徴は、日本人の味覚とぴったりマッチするはずで、そこをちゃんとおさえたから抵抗なく飲まれたのでしょうね。

       

      サントリーがねらった日本人好みの香味、それを実現するには、きっといろんなお茶をブレンドしているのだろうけど、そのブレンドの主原料は鉄観音じゃないかなあ。

       

      お湯を入れるときは少し溢れるくらいに。

       

      僕たちがふだんお茶と言っている緑茶も、紅茶も烏龍茶ももともとは同じ木で、摘んできた葉を空気中の酸素と反応させるかどうかで性質がちがっていく。蒸したり、釜炒りにしたりして熱を加えて酸素と反応させない緑茶は、そのせいで緑色をしている。

       

      反対に、摘んできた葉を放っておいて、萎れさせ、酸素との反応をすすめて作るのが紅茶や烏龍茶です。その反応をおしまいまですすめて作るのが紅茶であり、途中で熱を加えて止めるのが烏龍茶です。

       

      でも途中と言ったってどの辺で止めるのか。30%くらいで止める黄金桂は緑がかった色が、半分近くすすめる鉄観音はそれよりは少し赤みを帯びた緑色。80%ちかく酸化してまるで紅茶のような東方美人は赤茶けた色。

       

      そんな風に酸素との反応の程度が茶葉の色から見て取れますが、それだけでなく、お湯に浸出させた茶液の色も同じようになります。

       

      酸化発酵の程度の低い黄金桂は黄色にちかく、たくさん反応が進んだ東方美人はダージリンのような淡い橙色。そしてその中間くらいの鉄観音は色も中間ぽい、黄金桂よりは赤味があって。

       

       

      鉄観音の産地は黄金桂とおなじ中国福建省。黄金桂の特徴は、乳香と言ってミルクのようなやわらかなあまい香りとあじをもち茶液の色もいわれてみれば黄金をおもわせる澄んだ綺麗な黄色で、このお茶はなんといっても女性に人気です。

       

      対して、鉄観音は同じような甘い香りを持ちますが、ほんのわずかの渋みがあり、とてもすっきりした後味で、こちらは敢えて言ったら男性的な感じがします。食事をしながらとか、甘いお菓子を食べながら、なんてときは、鉄観音がぴったりです。

       

      鉄観音が持つ味の特徴と、飽きの来ないおいしさを緑茶におきかえたら、やっぱりやぶきたが思い浮かんでしまう。紅茶ならそう、ディンブラだと思うなあ。

      2019.01.29 Tuesday

      セイロンティと日本の水の相性

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        九州や北海道、台湾なんかよりも一回りおおきなセイロン島はインドの東南に位置する、スリランカという島国でインド、中国、ケニアに次いで世界第4位の紅茶生産国です。標高や茶園の向き(北向きとか東向きとか)によってつくられるお茶の特徴がちがい、いわゆるセイロンティにはさまざまなタイプがあります。


        紅茶に限らず標高と香味には密接な関係があって、一般に高地で育つお茶ほど香り高く、味が繊細(インドのダージリンなどが典型)。低地になるほど、日照時間の長さも影響して葉肉が厚く、したがって濃厚なコクのある味を持ちながら、どちらかといえば香りは弱くおとなしい(インドのアッサムティとか)。

         

        スリランカの茶園の様子

         

        だから、同じセイロンティでもローグロウン(低地で育った)ティのルフナはアッサムティのようにコクがあり、ミドルグロウン(中腹で育った)ティのキャンディはルフナよりは軽やか。


        そして最も高品質のハイグロウン(高地で育った)ティには、キリッとした爽快な香味が持ち味のヌワラエリヤ、ダージリンや中国のキーマンとともに世界三大紅茶に数えられ、メンソールのようなサロメチールのような香りが特徴のウバ、おなじくハイグロウンティでありながら、ヌワラエリアやウバにくらべて、香りはおだやかで味も女性的=ソフトでやわらかいのがディンブラです。

         

        穏やかでやわらかいといっても、なにしろ高地のお茶だから、アッサムティのようなたっぷりした味わいはなく、わずかの渋みを伴いその結果、後味が爽やかです。そんなとがったところもなくパンチもないけれど、バランスがよくて、のみやすい。

         

         

        それは、主観的な比較で言うと、日本の緑茶のやぶきた、それも牧之原あたりでとれる蒸し加減が中くらいのお茶が、もっとも多くの日本人の味覚にマッチしている事情と似通っているように思われます。だから日本の紅茶専門店では、普段使いのおいしい紅茶としてディンブラを提案している店が多いと思う。

         

        大阪の小原春香園の小原社長によれば、日本でディンブラがのみやすく、ヌワラエリアやウバの渋みがきついのは、水の影響もあるそう。


        現地のセイロン島のヌワラエリアやウバの茶園の標高は2千メートルくらい。そこの水は日本の軟水と違ってヨーロッパなどと同じ硬水らしく、その水で飲むと香りも味も素晴らしい。だから何杯でも飲んじゃう。なのに日本の軟水で飲むととっても渋いお茶になってしまう。

         

        お徳用ディンブラTB2g50個入 1080円

         

        ところが、ディンブラは軟水で淹れるとまろやかさが増してとてもおいしい。セイロンティの高品質のお茶のなかで、とりわけディンブラが日本でのみやすい紅茶と評価されるのは、実は水との相性もあるのでしょうね。

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