2020.02.10 Monday

ゆたかみどりという品種の魅力

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    日本で栽培されている緑茶の7割以上はやぶきたという品種です。どうしてそんなにやぶきたばかりなのかというと、病気に強く根付きやすい、収量が多い、といった生産家にとって都合がよいこともあるけれど、甘味と渋味のバランスがよくて、さわやかな後味が飽きの来ないおいしさとなっているからでしょう。

     

    このやぶきたの次に、南九州を中心につくられているのがゆたかみどりという品種です。ゆたかみどりの育て方の特徴は、抹茶の原料となるてん茶や玉露と同じように、新芽が出て、しばらくしてから10日ほど覆いをして太陽の光を遮ること。そうすることで、渋味のほとんどない濃厚な甘味をもったお茶となります。

     

    鹿児島大隅半島志布志のゆたかみどりの茶園。

     

    太陽の光を遮ると濃い甘みのお茶ができる理由は、光合成が抑制されるから。光合成とは、植物が空気中の二酸化炭素と根から吸い上げた水とで酸素と(エネルギー源となる)デンプンをつくることですが、そのために光のエネルギーを利用します。動物と違って移動して餌を手に入れることができない植物が生きるために身につけた術なのでしょうね。

     

    二酸化炭素と水からデンプンを作るということは、空気と水でお米をつくるようなもので、酸素を提供することとともにに画期的な働きなのですが、ささやかな副作用(のようなもの)もあります。それは、光合成をすると、甘味成分であるアミノ酸(のひとつで、リラックス効果を持つテアニン)が、渋味成分のカテキンに変わってしまうことです。

     

     

    この作用を最小限にするために覆いをして光合成を抑制するのです。というわけで、甘味とともにほどよい渋みがアクセントとなっているやぶきたとちがって、渋味がほとんどなく、青みのあるたっぷりした濃い甘み、がゆたかみどりという品種の特徴です。

     

    ところで、世にお茶好きといわれるひとは、どちらかというと、お茶の渋味苦味を好む方がおおく、そういう方には物足りないかも知れない。反対に、渋くて苦いお茶はどうも苦手だという方、ことに女性や子どもさんなどにはお奨めです。

     

    2020.01.24 Friday

    ダージリンに匹敵する和紅茶・・川根紅茶

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      意見はいろいろあるとしても香りが魅力的な紅茶の筆頭と言ったらやはりダージリンでしょう。春先のファーストフラッシュはフレッシュで爽快な香り、初夏のセカンドフラッシュはたっぷりした蜜を含んだような濃くフルーティな香り、そして秋のオータムナルはおだやかなやわらかい香り。

       

      収穫時期によって個性があり、すごいなあと感心するのですが、このダージリンと比較できるくらい豊かな甘い香りを持つ日本の紅茶があります。静岡県川根町で又平さんというご年配の方がつくる川根紅茶です。日本で作られる和紅茶のほとんどは二番茶といって新茶の後に摘まれるお茶が原料ですが、川根紅茶は新茶である一番茶と二番茶のブレンドが使われる。

       

      フルーティな香りとおだやかな味で紅茶の魅力が満載です。

       

      そして繊細な香味を生かすためダージリンとおなじように、時間と手間をかけてゆっくりと酸化発酵を促して作られます。それはこの又平さんがダージリン紅茶の製法(オーソドックス製法といわれます)を学びに行った先達の知識と技術を継承しているからです。

       

      緑茶にはない熟した果実のような香りに魅せられることでしょう。濃いめに淹れてミルクティにしてもおいしいです。その場合のミルクは人肌くらいにあたためた牛乳を使って下さい。コーヒー用のクリームは紅茶には濃すぎるので。

       

      2020.01.11 Saturday

      アッサムオレンジペコーについて

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        アッサムの紅茶というと、インド式の煮出して作るミルクティ「チャイ」を思い浮かべる人が多いでしょう。そのチャイに使われる紅茶はCTCといって、一見すると金魚のえさのような、まあるい形をしている。紅茶を作る作業はとても手間がかかり、お茶の葉を空気と反応させて酸化、そして発酵をすすめるのですが、そのためには時間と茶葉を広げる広いスペースが必要です。

         

        この作業をできるだけ丁寧に行ってデリケートな香味を追求するのがオーソドックス(正統的な)製法といわれ、ダージリンなどが典型です。その作り方はそのままで、ただ茶葉をローターベインという肉挽き機のようなもので小さく刻んで行うのが、セミ・オーソドックス製法。ウバ、ヌワラエリア、ディンブラなどスリランカの紅茶=セイロンティが代表的。

         

        セミ・オーソドックス製法よりもさらに紅茶作りの工程を効率的に短縮したのがCTC製法です。C:crush(くだく)、T:tear(引きちぎる)、C:curl(丸める)ことによって、お茶の葉の組織を壊し、お茶の葉に含まれる酸化酵素を働きやすくして、その結果、短時間で製造できます。

         

        アッサムCTC。素直なコクがあってミルクティ向き

         

        世界の紅茶の半分がインドで作られ、その半分以上はアッサムティ。つまり世界中の紅茶の4分の1はアッサムで栽培されている。ですが、そのほとんどはインド国内でチャイ用として消費されています。

         

        そんなわけでアッサムティ=CTCといったイメージがあるけれど、もちろんそうでないのもあって、とびきり上等の茶葉は、その持ち味を最大限に引き出すために、ダージリンと同じように時間と手間をかけて作られる。それがこのアッサム・オレンジペコーです。

         

        オレンジペコーとは「大きな葉っぱ」といったような意味で、茶葉を刻んだりしないで、オーソドックス製法で仕上げたときの形状です。日本の緑茶もそうですが、お茶の葉を揉んで、それが撚れたような形をしている。

         

        アッサムオレンジペコーの特徴は、アッサムティらしいコクがあって、まろやか。加えてオレンジペコーならではのふくよかな甘い香りが楽しめます。ダージリンやウバやディンブラといった高地のお茶が好きな人にはすっきりしたキレがない印象を持たれるかも知れません。

         

        アッサムオレンジペコー。ミルクティもいいけど、たっぷりふっくらした味わいをストレートで!

         

        でもですね、この紅茶を1週間飲んでごらんなさい。たっぷりした、スケールの大きな味と香りに惹かれ始めることでしょう。もちろんミルクティもすばらしいけど、ストレートも一級品です。ワインの好きな方なら、メルローというまろやかで渋味の少ない、ふっくらした品種が近いと思います。

         

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