2019.09.12 Thursday

禅寺の茶礼が原型

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    茶道を習い始めて10ヶ月くらい。最初は略盆といういちばん初歩的なお手前、そのあとはお薄、これからお濃いと進んでいくそうです。お薄をならっている間も、冬になると炉といって囲炉裏に炭をおこして、大きな鉄瓶でお湯を沸かす。

     

     

    春になると、風炉といって、畳の上のこんろで。夏は茶箱。小さな茶箱の中に野点ができるように茶碗、茶筅、茶巾、茶杓、棗とひととおりの道具が入ったものを、つかって茶を点てる。

     

    茶箱の中に、茶碗、棗、茶杓、茶筅、茶巾などが入っている様子。

    その間、床の間の掛け軸と茶花は季節で変わっていく。お茶はもともと中国から修行中のお坊さんがつたえたもので、禅寺の庭先で栽培し、座禅をしているときの睡魔に備えたり、またお寺での作法のひとつとして発展したのが今の茶道の原型のようです。

     

    中身を取り出して、お手前を始める前の段階。

    四季の変化に恵まれ、それによって養われた日本人の繊細な感覚がなんと洗練された作法として育んでいったのだろうと、習いながら感じることしきりです。

    2019.08.29 Thursday

    浴びるようにお茶を飲む

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      学生だった20歳の頃、学校へはちっとも行かず(正確には講義を受けず)、本や映画やクラシックの音楽に夢中になっていた時期があります。よくわからないままに、好きなことに思い切り打ち込んで過ごすことがとても大切に思えて。

       

      当時健在だった名画座や名曲喫茶へ毎日のように足を運び、好きな作家の本は文庫で出ているものはなるたけ全部読むという具合に。そうすると例えば小説なら、物語は一作ごとにちがうわけだけど、にもかかわらず、その作家の文体や息づかいをとおして、あ、この人はこんな人なのかも知れない、というように人柄や性格が感じられるようになります。

       

      これとおなじことが、嗜好品と言われるお茶なんかにも当てはまるように思えます。ムジカティの堀江さんと出会って紅茶に目覚めてしまった僕は、毎日ポットにたっぷりと紅茶を淹れ、それを朝のデスクワークの間、最初はストレートで、1時間ほどして朝食の時には、ミルクを加えて飲んでいます。

       

      そうしてひと月くらい、おなじお茶を飲み続けるとそのお茶の特徴がからだで感じられるようになっていく。量をこなすことで得られる理解というか、浴びるようにお茶を飲むことの効用といったらいいのか。

       

      2019.07.11 Thursday

      ゆたかみどりと深蒸し茶

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        ゆたかみどりといったら、南九州を中心に育てられ、全国の7割を占めるやぶきたについで栽培されている緑茶品種です。まあ、パソコンの世界で云ったらやぶきたがウインドウズで、ゆたかみどりがマックといったイメージでしょうか。で、この品種は、今でこそ九州地方でさかんにつくられているけれど、最初はそうじゃなかったみたい。

         

        寒さには弱いけど、樹勢といって樹の勢いが強く、味が濃く、香りもある。ただどうにも渋みが強かった。それを、玉露やかぶせ茶のように遮光といって覆いを掛けて一週間くらい太陽の光があまりあたらないようにしたら、渋みが少なく、青みのある濃い味わいのお茶になった。

         

        鹿児島県有明町ゆたかみどりの茶園です。

         

        この話は、全国一のお茶所静岡の牧之原で深蒸し茶がつくられるようになった経緯ととても似ているように感じました。今でこそ、お茶は水色といってお湯に浸出させた茶液の色がグリーンが鮮やかで、渋みが少なくマイルドな味わい。そういうお茶が好まれるけれど、以前はそうじゃなかった。

         

        静岡にかぎらず、標高の高いところで、朝晩の気温差が大きく、近くを清流が流れ、朝霧が立つ。そのようないわゆる山のお茶は、日照も十分じゃないから、葉肉が薄く、したがって味はそうじて淡泊。

         

        静岡県本山:山のお茶です。

         

        けれども、やさしい甘みと上質な渋みのあいまった澄んだ味わいと繊細な香りが楽しめる。そんなお茶が上級茶に共通する特徴でした。それにくらべて平地であることからさかんに太陽の光をたっぷりとあびてまるまる太った里のお茶は、味が濃い。

         

        でもとっても苦渋みがつよくて、二級品扱いをされていたそう。これを蒸し時間を倍くらいにして、そうするとお茶がくずれて粉っぽくなるからその後の作業工程である揉むことをあまりしないで仕上げた。その結果、渋みが少なくマイルドなお茶ができあがった。

         

        深蒸し茶でつくったティーバッグです。

         

        それが深蒸し茶です。粉々になって組織が壊れ、葉緑素が浮かんでいるのが鮮やかな緑色の理由ですが、これがまた美味しそうに見えるんですね。そんなこんなでゆたかみどりも深蒸し茶も人気を博していき今に到っている。

         

        それで、何を言いたいのかというと、この二つのお茶は、いずれももともとは渋みが強くて不人気だったのが、栽培方法や加工のしかたを工夫することで、課題である強烈な渋みを克服し、その結果市場に受け入れられていった。その歩みがよく似ているなあ、と。あんまりそんなこという人少ないみたいだけど、そうだと思うなあ。違うかなあ。

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